スイスのベストシーズンは、旅行の目的によって変わってきます。6月〜8月の夏はアルプスの山々や湖の美しい景色を楽しむことができ、ハイキングや観光に最適ですが、観光客が集中し費用が高くなるデメリットもあります。
12月〜2月の冬は、チューリッヒやジュネーブのクリスマスマーケットやスキーリゾートが盛り上がり、ヨーロッパらしい雰囲気を味わえますが、寒さや混雑には要注意。
春や秋は比較的穏やかな気候で、人が少なくゆったり観光でき、航空券や宿泊費も安く抑えやすいのが魅力です。旅行の目的や予算に合わせて訪れる時期を選ぶことで、自分自身にあった満足いく旅行になりますよ。
本記事では、スイスのベストシーズンを詳しく解説し、気候や服装、イベント事情まで旅行計画に役立つ情報をまとめました。
スイス旅行におすすめのベストシーズンは?
スイスのベストシーズンは、6月〜8月の夏です。カラッとした気候の中でアルプスの山々や湖の絶景を満喫でき、ハイキングや登山、湖畔散策など自然を楽しむアクティビティに最適なシーズンです。
気温も比較的安定しており、日本の夏より過ごしやすいのが特徴です。一方で、観光客が集中し、チューリッヒやジュネーブをはじめ主要都市のホテル料金や航空券は高騰しやすく、人混みも避けにくい点がデメリットになります。
冬(12月〜2月)は、クリスマスマーケットや本格的なスキーを目的に訪れる人にとっては最高の時期です。華やかな街並みやウィンタースポーツを楽しめますが、寒さが厳しく混雑も多いため注意が必要です。
春と秋は観光客が比較的少なく、航空券や宿泊費も安く抑えられる狙い目のシーズン。落ち着いた雰囲気で街歩きや観光を楽しみたい方におすすめです。旅行の目的や予算に合わせて季節を選べば、スイスならではの魅力を存分に体験できますよ。
スイス旅行が一番安く行けるシーズンは?
スイス旅行を安く楽しむなら、春(3〜5月)や秋(9〜10月)が狙い目です。観光のピークとなる夏や、冬のスキー・クリスマスシーズンを外すことで、航空券やホテル代がぐっと下がります。
特に3月や11月は観光客が少なく、主要都市の混雑を避けつつ落ち着いた雰囲気を味わえるのも魅力です。
一方で、6〜8月の夏はアルプス観光を目的とした観光客が世界中から集まり、航空券も宿泊費も高騰します。さらに12月下旬〜1月上旬はクリスマスマーケットや年末年始休暇により最も値段が上がるため、費用を抑えたい方は避けるのがおすすめです。
| 季節 | 航空券価格の目安 | 特徴・注意点 |
| 春(3〜5月) | 約 11万〜15万円 | 混雑前で比較的安い。花の季節で観光も快適 |
| 夏(6〜8月) | 約 15万〜25万円 | 観光ハイシーズンで最も高い時期 |
| 秋(9〜10月) | 約 11万〜14万円 | 夏のピーク後で料金が下がり狙い目 |
| 冬(11〜2月) | 約 10万〜18万円 | スキー・年末年始は高騰、1月中旬以降は安め |
※価格は2024〜2025年の日本(成田・羽田)発チューリッヒ直行便・経由便の相場を基にした目安です。実際の料金は航空会社や予約時期によって変動します。
スイスのシーズン別で見る気候と服装について
スイスは、日本と同じく春夏秋冬でまったく違う景色と楽しみ方ができる国です。訪れる時期によって気候や必要な服装も変わるため、季節ごとの特徴を知っておくことが快適な旅のポイントにつながります。ここからは春・夏・秋・冬に分けて詳しく見ていきましょう
春(3月〜5月)
スイスの春は雪どけとともに花が咲き始め、都市部では公園や街路樹が一気に色づきます。チューリッヒやジュネーブなどの低地では平均気温が8〜15℃ほどで、日中は観光しやすい気候です。ただし朝晩は5℃を下回る日もあり、山岳部では残雪が多く高所ハイキングはまだ本格的ではありません。
春を象徴する行事としては、チューリッヒで4月に開催されるお祭りの「セクセロイテン(Sechseläuten」が有名で、冬の終わりと春の訪れを祝う伝統的なお祭りが楽しめます。
春のスイス旅行の服装
春のスイスは日中と朝晩の寒暖差が大きいため、重ね着がおすすめです。昼間は薄手の長袖シャツやカーディガンで快適に過ごせますが、朝夕は冷えるので軽めのコートやジャケットがあると安心です。
観光では歩く時間が長くなるため、履き慣れたスニーカーが便利。特に高原や湖畔を訪れるなら、防風・防水性のある薄手のウィンドブレーカーを用意しておくと急な雨や風にも対応できます。おしゃれを楽しみたい方は、スカーフやストールを取り入れると体温調整もできおすすめです。
夏(6月〜8月)
スイスの夏は、アルプス観光や湖畔リゾートを楽しむ観光客で最もにぎわうシーズンです。チューリッヒやジュネーブなど都市部の日中平均気温は18〜28℃ほどで日本の夏より湿度が低く、快適に過ごせます。ただし標高の高い地域では10℃前後まで下がることもあり、山岳観光では気温差に注意が必要です。
人気イベントには、ルツェルンで開催される「ルツェルン音楽祭(Lucerne Festival)」があり、オーストリアで開催されるザルツブルク音楽祭との2大音楽祭としても有名です。世界的音楽家が集まる、この時期ならではのクラシック音楽の祭典に、ぜひ足を運んでみては?
夏のスイス旅行の服装
夏のスイスは日差しが強い一方で朝晩は肌寒いため、半袖と軽い長袖を組み合わせる重ね着スタイルがおすすめです。日中はTシャツやポロシャツに軽いパンツで快適に過ごせますが、夕方以降は薄手のカーディガンや長袖シャツを羽織れるようにしましょう。
標高の高い場所に行くなら、軽量ジャケットやパーカーがあると安心です。また、日差し対策にサングラス・帽子・日焼け止めは必須。湖畔やハイキングでは動きやすいスニーカーやトレッキングシューズが活躍します。都市観光とアウトドアを両立できる服装を意識すると快適に過ごせます。
秋(9月〜11月)
スイスの秋は紅葉が美しく、観光地が比較的落ち着く穴場の季節です。チューリッヒやジュネーブの平均気温は8〜15℃ほどで、9月は20℃近くの日もある一方、11月には一桁台まで下がり冬の気配を感じます。アルプス山岳地帯では初雪が降り始めるため、高地観光では寒さ対策が必要です。
秋の代表的なイベントは、山から牛を飾り立てて里へ下ろす伝統行事「アルプアプツーク(Alpabzug/Almabtrieb)」。カウベルの音が響く牧歌的な風景が楽しめ、農村の文化と雰囲気が体感できます。またワインの収穫祭も各地で行われ、グルメ好きには必見のシーズンです。
秋のスイス旅行の服装
秋のスイスは朝晩の冷え込みが強まるため、重ね着と防寒小物がポイントです。9月は薄手の長袖や軽いジャケットで過ごせますが、10月以降は厚手のセーターやコートが必要になります。観光では歩く時間が長いので履き慣れたスニーカーが便利ですが、山岳部に行く場合は防水性のあるトレッキングシューズを選ぶと安心です。
また、紅葉シーズンは日差しが意外と強いこともあるため、サングラスやストールを持っていくと◎。都市散策から山の麓まで幅広く対応できる服装を準備するのがおすすめです。
冬(12月〜2月)
冬のスイスは、雪景色とウィンタースポーツを目的に多くの旅行者が訪れる人気シーズンです。チューリッヒやジュネーブなど低地の平均気温は−2〜7℃程度で、場所によっては氷点下の日も少なくありません。アルプス山岳地帯ではさらに冷え込み、スキーやスノーボードが盛んに行われます。都市部では12月に入ると各地でクリスマスマーケットが開かれ、街中がイルミネーションに彩られて華やぎます。
また、サンモリッツやツェルマットでは国際的なスキー大会も開かれ、世界中から観光客が集まります。冬のスイスはヨーロッパらしい雰囲気を存分に楽しめる季節ですが、観光地は混雑しやすく、ホテル代や航空券も高騰する傾向があります。
冬のスイス旅行の服装
冬のスイスでは本格的な防寒対策が必須です。厚手のダウンジャケットやコートを基本に、セーターやフリースなどの中間着を重ねると安心です。特に山岳地帯では氷点下の寒さになるため、保温性の高いインナーも欠かせません。足元は滑りにくいブーツや防水性のあるシューズがおすすめで、靴下はウール素材だと冷えを防げます。
さらに手袋・マフラー・帽子などの小物も必須。都市観光だけなら街歩き用のコートで十分ですが、スキーや雪の多い地方へ行く場合はスノーウェアを用意するのがおすすめです。
季節ごとの平均気温まとめ表(チューリッヒ・ジュネーブ低地)
| 季節 | 平均気温(日中・低地) |
| 春(3〜5月) | 約 8〜15℃ |
| 夏(6〜8月) | 約 18〜28℃ |
| 秋(9〜10月) | 約 8〜15℃(9月は20℃前後) |
| 冬(11〜2月) | 約 −2〜7℃ |
スイス旅行で気をつけるべきシーズンやイベント
スイスは四季を通じて魅力的な国ですが、旅行の時期によっては注意が必要なイベントや込み合っているシーズンがあります。ここでは、旅の計画を立てる際に気をつけたいシーズンやおすすめのイベントをご紹介します。
1月〜2月はスキーシーズンで混雑・料金高騰
1月から2月にかけてのスイスは、スキーリゾートが最も賑わうピークシーズンです。ツェルマットやサンモリッツなどアルプスの有名リゾートには世界中から観光客が訪れ、ホテルやスイス旅行で大人気の山岳鉄道の予約が取りづらくなります。特に週末や国際大会の開催時期は宿泊料金が通常より大幅に高騰し、航空券も値上がりする傾向があります。
スキーを目的に訪れるなら早めの予約が必須ですが、観光や街歩きを中心に考える方は、この時期を避けると費用を抑えやすく混雑も回避できます。冬の景色を楽しみたい方は、2月下旬から3月にかけてのオフピークを狙うのがおすすめです。
スイスの祝日は地域差があり休業に注意
スイスでは全国共通の祝日が少なく、カントン(州)ごとに祝日が異なります。例えば、建国記念日にあたる「スイス建国記念日(8月1日)」は全国的に祝われますが、それ以外の宗教行事や祭日は州によって休業日が異なるのが特徴です。
そのため、チューリッヒやジュネーブなどの都市を観光する際にも、銀行や公共施設、レストラン、商店が閉まっている可能性があります。祝日に旅行が重なると観光の計画に影響することもあるため、訪れる都市の公式観光サイトで事前にチェックしておくと安心です。
州ごとに異なる文化や行事に出会えるのは魅力的ですが、営業状況を把握した上でスケジュールを組み立てましょう。
12月はクリスマスマーケットで観光地が混雑
12月のスイスは各都市でクリスマスマーケットが開かれ、イルミネーションや屋台でにぎわいます。チューリッヒ中央駅の大ホールには巨大なクリスマスツリーが飾られ、ジュネーブやバーゼルでも大規模なマーケットが開催されます。
この時期はヨーロッパ中から観光客が集まり、街は華やかな雰囲気に包まれますが、その分ホテルや航空券は高騰し、観光地はかなり混雑しやすくなります。マーケットを目的に訪れる場合は、11月下旬の開始直後を狙うと比較的空いていておすすめです。寒さが厳しいため、防寒具をしっかり準備し、混雑の中でも快適に過ごせるようにしておきましょう。
まとめ
スイスのベストシーズンは、夏と冬でそれぞれ異なる魅力を持っています。夏(6〜8月)はアルプスの大自然や湖を満喫でき、ハイキングや登山に最適ですが、観光客が多く料金も高めです。
冬(12〜2月)はクリスマスマーケットやスキーリゾートが盛り上がり、華やかな雰囲気に包まれますが、混雑や厳しい寒さのデメリットもあります。費用を抑えてゆったりと観光したい方には、春(3〜5月)や秋(9〜10月)のシーズンがおすすめで、航空券やホテル代も比較的安くなります。
旅行の目的やスタイルに合わせて訪れる時期を選ぶことが、スイスをより満喫するポイントでもあります。事前に気候やイベント情報を確認して、理想のスイス旅行を実現してくださいね。

