茨城県つくば市研究学園エリアに拠点を構える「株式会社東京バル」は、植物由来の食品ブランドを展開する企業です。白砂糖不使用、有機野菜の活用、国産米粉の使用(小麦粉不使用)、アミノ酸調味料等不使用といった方針を掲げ、栄養価とおいしさの両立を目指した商品開発を行っています。
今回は、東京バルの歩みと商品づくりの背景についてお話を伺いました。
創業の原点は、家族の食卓から

創業のきっかけは、創業者の長女がダウン症だったことから。離乳食の時期、食が細くなってしまうことが大きな課題で、少量の食事でもできるだけ多くの栄養を摂れるようにと開発されました。
野菜の皮や葉など、栄養価の高い部分を使用しているのが特徴です。
食品加工の現場では、野菜の皮や葉は廃棄されがちな部位ですが、栄養素が豊富に含まれていることも特徴の一つ。東京バルは、そうした“見過ごされがちな部分”に価値を見出し、「少量でも栄養価が高く、自然でおいしい商品」を届けることを目標に掲げています。
プラントベース食品が広げる、未来への選択肢

植物由来の食品づくりにおいて大切にしているのは、日々の食卓から未来を変えていくという視点です。地球環境や社会問題は一見すると大きく、個人の力では遠い存在のようにも感じられます。しかし、毎日の食事こそがその第一歩になると考えています。
何よりも大切にしているのは、「楽しく、おいしいこと」。子どもたちが生きる未来の地球が少しでもより良いものとなるよう、栄養とおいしさの両立を追求しています。
また、商品には特徴があります。
✓白砂糖不使用
✓有機野菜使用
✓国産米粉使用(小麦粉不使用)
✓アミノ酸調味料等不使用
植物由来という選択肢を通じて、身体にも環境にもやさしい食のあり方を提案するのが東京バルの強みと言えるでしょう。
「おいしさ」と「栄養価」と「持続可能性」の同時実現
商品開発において直面した最大の壁は、「おいしさ」「栄養価」「持続可能性」という三つの要素を同時に成立させること。
どれか一つを優先するのではなく、すべてを高い水準で満たすことを目標に掲げ、試作と改良を幾度も重ねてきました。味や食感の細かなバランスを丁寧に調整しながら、素材の個性を活かし、日常的に食べたくなる仕上がりを追求しているのが特徴です。
また、原料選定においても明確な基準があります。栄養価の高さやオーガニックであることはもちろん、安定供給が可能かどうか、輸送方法や品質保持の体制は十分かといった実務面まで総合的に検討しています。
さらに注目しているのが、通常は活用されにくい野菜の皮や葉といった部位です。加工工程で廃棄されがちな部分に含まれる栄養に着目し、自社技術で商品化することでアップサイクルに取り組んでいます。
地域連携から生まれたグラノーラ

人気商品のひとつが「THIS IS SALAD グラノーラ」シリーズです。中でもケールグラノーラは栄養価の高さと食べやすさから支持を集め、ブラックペッパーグラノーラは男性層からの人気が高い商品。また、芋皮スナックはやさしい甘みと軽い食感が特徴で、子どものおやつとして好評です。
このグラノーラは、つくば市内で有機農場と工場、直営ジューススタンドを併設するベルファームとの提携により誕生しました。ジュースを搾った後にも食物繊維や栄養が残る野菜の搾りかすに着目し、それを活用するアップサイクル型の商品開発を行っています。
パスタやサラダを支える栄養ブースター
「パルメザンチーズ風味」は、パスタやサラダに振りかけて使うフレークの一つ。ビタミンB12や葉酸を豊富に含み、亜鉛、鉄、マグネシウムなどのミネラルも摂取できる設計となっています。
パルメザンチーズの風味づけには酒粕を使用しています。酒粕は日本酒製造の副産物であり、ペプチドやアミノ酸など多様な成分を含むことで知られています。
サラダやパスタに手軽に加えられるため、忙しい日常の中で栄養バランスを意識したい人や、子どもの成長を気にかける家庭にも取り入れやすいアイテムです。
忙しい現代人に寄り添うレシピ提案

レシピ開発にも力を入れており、特に反響があるのは「毎日忙しく栄養不足を感じている方」「野菜不足を感じている方」「子どもの野菜不足が気になる方」向けです。
観光や出張で訪れた人にとっても、持ち帰りやすく、家庭で手軽に活用できる商品が魅力的です。
食を通じて、訪問のきっかけを生む存在へ
「これからも、栄養とおいしさを両立した商品づくりを続けてまいります」と、創業者は語ります。
つくば市は研究都市として国内外から多くの人が訪れる地域です。そこに根差した企業が、サステナブルで魅力的な商品を発信することは、地域ブランドの向上にもつながります。
東京バルの取り組みは、単なる食品開発にとどまりません。家族の課題から始まった挑戦が、環境配慮やフードロス削減、地域連携へと広がり、結果として観光客や訪問客の関心を引き寄せる要素にもなっています。
つくばを訪れた際には、研究都市の最先端技術だけでなく、こうした地域発の食ブランドにも目を向けてみると、新たな発見があるかもしれません。
| 会社名 | 株式会社東京バル |
| 公式サイトURL | https://tokyobal.co.jp/ |
| 住所 | 茨城県つくば市研究学園5-15-7 |

