自然と音楽が響き合う場所 — Teenage Brewing / Taproom “bekkan” が描く新しいクラフトビール体験

埼玉県比企郡ときがわ町。清流と山々に囲まれた自然豊かな町に、2025年1月、ひとつの新しい拠点が誕生しました。築30年の木工所兼倉庫をリノベーションして生まれたクラフトビール醸造所 「Teenage Brewing / Taproom “bekkan”」 です。

そのコンセプトは「音楽とクラフトビールの融合」。訪れる人にとって「飲む」以上の体験を提供するという当施設の魅力に迫りました。

音楽活動からクラフトビールへ — 人生の転機と決意

Teenage Brewingを立ち上げた森代表は、29年間音楽活動を続けてきました。しかし、新型コロナウイルスの流行によりライブ活動が困難になったことで、自身の音楽や人生と深く向き合う時間が訪れたといいます。

「競争や評価に縛られるのではなく、本当に作りたいものを作りたい」。そう決意したときに出会ったのがクラフトビールでした。

ホップや酵母の組み合わせによって無限の味わいが生まれるクラフトビールは、音楽と同じように表現の可能性に満ちている――。森代表はこの直感を「運命的」と感じ、ブルワリー開業を決断したと言います。

ときがわ町の自然が生むブランド力

出典:さいたまリバーサポーターズ

Teenage Brewingの舞台となったときがわ町は、澄んだ空気と清らかな水に恵まれています。特にこの地域の軟水は繊細な味わいのビール造りに適しており、ブランドの根幹を支えています。

さらに、周囲の森や清流は、ビールの名前やロゴ、タップルームの空間づくりにも影響を与えているとのこと。自然と調和した雰囲気の中で、訪れる人は心身ともにリラックスしながら一杯を楽しむことができます。

倉庫を再生する—歴史ある建物を新しい交流拠点に

2階建て・約100坪の醸造所兼タップルームは、「インダストリアル×モダン×アンティーク」を設計コンセプトに、梁や柱を“見せる”構成で建物の記憶を活かしています。

ラベルアートを手掛ける作家・momo氏の作品が散りばめられ、空間全体が一つのインスタレーションのよう。大きな窓から差し込む自然光とテラス越しの山並みが、訪問者に心地よい“余白”を提供し、観光客と地域住民が緩やかに交わる場として機能します。

「心地よい余白をつくることを意識しました」と森代表。広々としたレイアウトは、訪問客がゆったりと時間を過ごせるよう設計されています。

初リリースの3種 ― 感性を込めた一杯

Teenager

  • Teenager
    記念すべき1stバッチ。濃厚なダブルIPAで、ティーンエイジ時代の爆発的な初期衝動を詰め込んだ一杯。桃やオレンジ、マンゴー、グレープフルーツを思わせるトロピカルな香りが特徴です。

  • My Brother Woody (Cypress)
    ときがわ町の象徴でもあるヒノキを使ったサワーエール。ドライヒノキで仕上げることで、酸味の中にしっかりと香木のニュアンスが感じられます。名前はソフトロックバンド「Free Design」の楽曲から引用され、土地と音楽の融合を象徴しています。

  • Earworm
    柑橘系の爽やかさとトロピカルなフレーバーを兼ね備えたIPA。ジューシーながらキレがあり、飲む人の記憶に残るような仕上がり。ホップはSabroやMosaicなどを使用し、個性と飲みやすさを両立しています。

定番を設けず、毎月6~8種類をリリース。IPAやHazy、Sour、ゴーゼ、木樽・木材由来の表現など「刺さる人に強く刺さる」振り切った個性と、ピルスナーやペールエールの普遍的価値を両立させています。

訪れるたびに新作と出会えるのも嬉しいですね!

フードペアリング—地元食材と感性のマリアージュ

タップルームでは、ときがわ町の新鮮な野菜を使った料理や日替わりカレーを提供。ビールとのペアリングも重視されています。

濃厚なホップが効いたビールには旬のサラダを、スパイスやハーブを利かせたビールはカレーやデザートとの相性が抜群!ヘッドブルワーがパティシエ出身ということもあり、ビールとスイーツの組み合わせを提案しているのもユニークですね。

訪れる方へのメッセージ

最後に、森代表からのメッセージを紹介します。

「Teenage Brewingは、ただビールを飲む場所ではありません。ときがわ町の自然の中で、ゆったりと流れる時間を楽しんでください。私たちのビールが、皆さんの人生に新しい一歩や小さな発見をもたらせたら嬉しいです。」

音楽と自然、そしてクラフトビール。この3つが織り成す空間は、訪れる人にとって忘れられない体験となるでしょう。都心付近で自然を感じながら非日常を味わいたい方、是非足を運んでみてください。

基本情報

施設名 Teenage Brewing / Taproom “bekkan”
公式サイト https://teenage.jp/
住所 〒355-0355 埼玉県比企郡ときがわ町馬場435 ー1
営業時間 〈 営業時間 〉
火〜金 11:00〜16:30 LO16:00
土、日、祝 11:00〜20:00 LO19:30
定休日 月曜日