エポスカードの海外旅行保険は一般カードなら年会費が発生しないにも関わらず、疾病治療費用の補償やキャッシュレス診療が利用できるなど、充実した内容となっているため多くの旅行者に選ばれています。以前は自動付帯となっていましたが、現在は利用付帯へと変更されました。
旅行先でエポスカードの海外旅行保険を利用したいならば、利用可能となる条件を事前に把握しておく必要があるでしょう。また補償範囲についても理解しておけば、万が一現地でケガや病気になったとしても落ち着いて対処できます。
本記事では基本情報・海外旅行保険が適用される条件・補償範囲・実際に利用した方の体験談などをご紹介します。
エポスカードの基本情報
エポスカードには基本的なカードである一般・ゴールド・プラチナの3種類があります。それぞれ年会費や利用可能な特典、海外旅行保険の補償額や補償内容が異なるので、旅行スタイルやどこまで補償してもらうかを考慮しながら選ぶとよいでしょう。
3種類のカードの特徴と海外旅行保険の内容について解説します。
基本のエポスカード

年会費 | 無料 |
海外旅行保険の付帯条件 | 利用付帯 |
傷害死亡・後遺障害 | 3,000万円 |
傷害治療費用 | 200万円 |
疾病治療費用 | 270万円 |
賠償費用 | 3,000万円 |
携行品損害 | 30万円 |
一般仕様のエポスカードは、年会費が不要であるにも関わらず、海外旅行保険が付随されているのが大きな特徴です。海外旅行保は傷害死亡・後遺障害時は最高3,000万円の補償額となっているほか、傷害治療費用最大200万円、疾病治療費用最大270万円と、最低限の備えとしては十分な補償内容となっています。
海外旅行保険は利用付帯になっていて、旅行代金をエポスカードで支払わなければなりません。しかし全額支払う必要はなく、1円でもカードで旅行代金を支払っていれば海外旅行保険が適用となります。
エポスゴールドカード

年会費 | 5,000円(年間利用額50万円以上で翌年以降永年無料) |
海外旅行保険の付帯条件 | 利用付帯 |
傷害死亡・後遺障害 | 5,000万円 |
傷害治療費用 | 300万円 |
疾病治療費用 | 300万円 |
賠償費用 | 5,000万円 |
携行品損害 | 50万円 |
エポスゴールドカードは年間5,000円の会費が必要ですが、1年間で50万円以上で利用すれば、翌年以降年会費を支払う必要がなくなります。補償は一般カードより手厚くなっていて、傷害死亡・後遺障害は最高額5,000万円で、傷害・疾病治療費用と携行品損害の補償も上限額がアップしています。
エポスプラチナカード

年会費 | 30,000円(税込) |
海外旅行保険の付帯条件 | 自動付帯 |
傷害死亡・後遺障害 | 1億円(家族2,000万円) |
傷害治療費用 | 300万円(家族200万円) |
疾病治療費用 | 300万円(家族200万円) |
賠償費用 | 1億円(家族1億円円) |
携行品損害 | 100万円(家族100万円) |
エポスプラチナカードは年会費3万円(招待時2万円)と高額ですが、その分補償の手厚さは一般・ゴールドとは比較になりません。海外旅行保険は自動付帯となっているため、旅行代金を支払わずともプラチナカードを作って持っておけば、全ての旅行で海外旅行保険が使えます。また、家族特約も付随されているので、本人だけではなく同行している家族も補償対象です。
エポスカードの海外旅行保険について
エポスカードは充実した内容の海外旅行保険が基本の一般カードでも付随されているのが大きな魅力です。
ただし、カードによっては保険を利用するのに条件をクリアする必要があるうえ、あらゆるトラブルに対応しているわけではない点に注意が必要です。海外旅行保険に関する基本的な情報についてまとめました。
海外旅行保険は「利用付帯」
エポスカードの海外旅行保険は従来はカードを保有するだけで利用可能な自由付帯でしたが、2023年10月より一般・ゴールドカードは利用付帯に変更されました(プラチナは自動付帯のまま)。保険の補償を利用するには、旅行前に航空券・ツアー代金・空港までの交通費やホテルの宿泊費用など、旅行に関する費用をカードで支払う必要があります。
条件を満たせば旅行開始日から最大90日間、治療費や救援者費用などが補償されます。事前に料金を支払う必要がある分、利用するには手間がかかりますが、旅行費用全額を支払う必要はありません。極論をいえばカードを使って1円でも旅行代金を支払えば海外旅行保険を利用できます。
対象にならない時の代表的なパターン
一般・ゴールドカードの海外旅行保険は利用付帯になっているので、当然条件を満たしていなければ海外旅行保険の補償は受けられません。例えば、以下のような場合は条件を達成しているとはみなされず、ケガや病気の治療などをした場合も補償適用外となります。
- エポスカード以外のカードで航空券やツアー代金を支払った
- 現金で航空券やツアー代金を支払った
- 旅行先のショッピングでエポスカードを使って買い物をした
旅行に行く前にエポスカードで旅行代金を支払うといった条件は見落としがちなので、海外旅行保険を利用したいなら、必ず旅行代金の支払いがエポスカードになっているかを確認しましょう。
国内旅行保険はある?
クレジットカードの中には国内旅行保険のみ付随されているものや、国内外両方の旅行保険が利用可能なものもあります。エポスカードの場合、付随されているのは海外旅行保険のみで国内旅行保険は利用できません。
国内旅行の料金をエポスカードで支払ってカードを携行して旅行に行き、旅行先でケガを負ったり病気になったりして旅行保険を使おうとしても補償の対象外となるので注意しましょう。一般カードだけではなく、ゴールド・プラチナも国内旅行保険は利用不可能です。国内旅行保険を利用したいのであれば、別に国内旅行保険が付随されたクレジットカードを作成する必要があります。
エポスカードの海外旅行保険の補償範囲
エポスカードの海外旅行保険は幅広い補償が好評ですが、旅行中すべてのトラブルに対応しているわけではありません。補償を確実に利用するためには、補償してくれる範囲を事前に把握しておく必要があります。
エポスカードの海外旅行保険の補償範囲について分かりやすくまとめました。
傷害や疾病治療費用、携行品損害、賠償責任の補償額
補償内容 | 一般カード最高額 | ゴールドカード最高額 | プラチナカード最高額(家族付帯) |
傷害死亡・後遺障害 | 3,000万円 | 5,000万円 | 1億円(2,000万円) |
傷害治療費用 | 200万円 | 300万円 | 300万円(200万円) |
疾病治療費用 | 270万円 | 300万円 | 300万円(200万) |
賠償責任 | 3,000万円 | 5,000万円 | 1億円(2,000万円) |
救援者費用 | 100万円 | 100万円 | 200万円(200万円) |
携行品損害(面積3,000円) | 20万円 | 50万円 | 100万円(100万円) |
エポスカードの海外旅行保険で付帯されている補償は以下の6つです。
- 傷害死亡・後遺障害
- 傷害治療費用
- 疾病治療費用
- 賠償責任
- 救援者費用
- 携行品損害
このうち、携行品損害の補償を受けるには1件あたり3,000円の免責費用が必要です。各補償の最高額はカードのランクによって異なっており、傷害死亡・後遺障害の補償額の最高額は一般カードだと3,000万円ですが、ゴールドカードでは5,000万円、プラチナカードの場合は1億円になります。
傷害治療費用・疾病治療費用は一般カードがそれぞれ200万円・270万円ですが、ゴールドカードとプラチナカードは両方とも最高額は300万円です。賠償責任は3つのカードすべて傷害死亡・後遺障害と同額で、免責はありません。救援者費用はカード保有者を家族が迎えに行った際の渡航費などを補償する保険です。一般カードとゴールドカードは100万円、プラチナカードは最高200万円まで補償されています。携行品損害の補償最高額は一般カードが20万円、ゴールドカードは50万円、プラチナカードは100万円です。
キャッシュレス診療が使える条件と対応病院
エポスカードの海外旅行保険にはキャッシュレス診療の利用権利も付随されています。キャッシュレス診療は、病気やケガなどで診察や治療を受けた際の費用を現金ではなくカード払いできる仕組みです。
エポスカードの場合、すべてのカードの海外旅行保険で傷害治療費用と疾病治療費用が付随されているので、キャッシュレス診療を利用すれば治療費をカード会社が代わりに支払ってくれます。
海外だと治療費が高額になるケースが多いです。万が一の時にカード会社が建て替えてくれるキャッシュレス診療は、金銭的な不安を解消してくれるサービスといえるでしょう。エポスカードでキャッシュレス診療を利用するには、「エポスカード海外旅行事故受付センター」への電話連絡が必要です。状況を説明することでオペレーターが提携病院の紹介と予約手配を行ってくれます。
その後、病院との間で保険の処理も進めてくれるので、病院に連絡する必要はありません。病院手配の際、カード番号・パスポート情報などを聞かれるので、すぐに答えられるよう準備しておくと良いでしょう。エポスカードが提携していない病院の場合は自己負担によって治療費を支払い、その後エポスカードに保険料の申請をして治療費を受け取るという流れになります。
渡航期間や滞在先ごとの補償適用ルール
エポスカードの海外旅行保険の補償が適用される期間は、出発日から最大90日間と定められています。90日を超える長期滞在では保険が適用されないため、留学やワーキングホリデーなどを予定している方は、別途長期滞在にも対応している保険に加入しなければなりません。
補償は1回の旅行に限り1回のみで、期間の延長も不可能です。また、補償の対象となる渡航先は、日本出国後に最初に入国した国から始まり、旅行中に移動したのならば移動した国もすべて含まれます。ただし戦闘地域や危険レベルが高い国・地域(外務省から退避勧告が出ている場所)については保証対象外となるケースがあります。
保険が適用されるには、旅行中であることが前提であるため、現地に住民票を移した場合や、就労・留学目的での滞在では保険が適用されない場合もあります。補償に対象となるかは、海外への渡航が旅行としての性質があるか、かつ90日以内の渡航であることが判断基準となります。
エポスカードの海外旅行保険を使用する手順
エポスカードの海外旅行保険を使用する手順を利用したことがない方にも分かりやすいように、5つのステップに分けて解説します。
旅行前に利用付帯の条件を満たす
改廃旅行保険を有効にするには、旅行券や空港までの交通費、ツアー代金などをエポスカードで支払う必要があります。1円でもカードで支払っておけば保険は有効と見なされます。
出発前に保険内容を確認する
旅行前に公式サイトや付帯保険の案内所で、保証内容・期間(最大90日)・対象外の国や条件を確認しておくようにしましょう。特に長期滞在や危険地帯へ渡航する際は補償をしてもらえない可能性があるため注意が必要です。
現地トラブルが発生したら事故受付センターに連絡
病気やケガ、盗難などのトラブルが起きたら、すぐに海外旅行保険事故受付センターに電話連絡してください。24時間・年中無休で日本語対応もしています。
キャッシュレス診療や対応手続きを案内してもらう(治療が必要な場合)
連絡後、提携医療機関でのキャッシュレス診療を手配してもらいます。提携病院なら診療費を建て替えることなく現地で治療を受けられるため安心です。提携していない病院で治療を受ける場合は一時的に治療費を建て替えなければなりません。
帰国後必要ならば保険金請求を行う
立て替え払いをした場合は帰国後に領収書や診断書を揃えて保険会社へ請求書を提出します。申請期限や必要書類を確認し、できるだけ早く手続きを済ませましょう。
実際にエポスカードの海外旅行保険を使用した人の体験談
ここでは、実際にエポスカードの海外旅行保険を使用した人たちの体験談を3つ紹介します。体験談を見れば、エポスカードがどのような場面で利用できるかをより具体的に理解できるのではないでしょうか。
東南アジアで食あたり時に使用
タイ旅行中に屋台で食事をした際に食あたりを起こし、激しい腹痛で動けなくなりました。現地の病院を探すのも不安でしたが、エポスカードの事故受付センターに連絡すると、日本語で対応してくれてすぐに提携病院を紹介してくれました。現地ではキャッシュレス診療ができたので治療費を一切支払わずに治療できて本当に助かりました。
エポスカードは海外の提携病院でキャッシュレス診療が利用できます。受付センターに連絡すれば、病院手配や保険処理も代行してくれるので、急病時も安心です。
飛行機の大幅遅延時に使用
フィリピンから帰国する便が悪天候で大幅に遅れ、空港で一夜を過ごさなければならなくなりました。」飲食代や宿泊費が発生したため、念の為エポスカードの保険窓口に連絡してみました。案内に従って領収書や遅延証明書を提出したところ、後日保険金が支払われました。想定外の出費でしたが、補償のおかげで金銭的負担が大幅に軽減されました。
エポスカードの海外旅行保険は、飛行機の遅延や欠航による臨時費用も補償対象となる場合があります。適用されるには出費の記録や証明書が必要なので、捨てずに保管しましょう。
現地ホテルでの盗難被害時に使用
ベトナム旅行に行ってショッピングをした際に、まさかのスマホと現金を盗まれました。警察に届け出た後、エポスカードの事故受付センターに連絡すると、盗難補償の申請が可能と教えてもらえました。帰国後必要書類を提出したところ、補償対象と見なされ、保険金を受け取れました。旅行中に盗難に遭ったのは災難でしたが、エポスカードを持っていて本当に良かったと思いました。
エポスカードの海外旅行保険は、渡航先での盗難被害も補償対象です。現地警察の盗難証明書が必要であるため、速やかに通報と証明書の取得を行いましょう。
エポスカードの海外旅行保険に関してよくある質問
海外旅行をきっかけにエポスカードの作成を検討している方に向けて、エポスカードの海外旅行保険に関して寄せられる質問のうち、特に多かったもの5つをピックアップしました。質問に対しての回答も併せて掲載しています。
エポスカードの海外保険は自動付帯?
エポスカードの海外旅行保険は、所有しているだけで利用可能な自動付帯ではなく利用付帯です。つまり旅行中にエポスカードの海外保険を使いたいならば、エポスカードで旅行代金を支払う必要があります。
とはいっても旅行代金全額をエポスカードで支払う必要はありません。旅行代金のうち、1円でもエポスカードで支払っていれば保険は適用されます。自動付帯がなくなって改悪されたのかというとそのような事はなく、補償額が自動付帯時は最高500万円だったのが利用付帯後は最高3,000万円と、金額は大幅に上昇しました。
適用条件も非常に緩く、トータルで見れば補償はより手厚くなったといえるでしょう。
キャッシュレス診療はどうやって使う?
キャッシュレス診療を利用したいならば、提携先の病院で診察を受けなければなりません。利用する際は、必ず治療前にエポスカード保険事故受付デスクに連絡してください(24時間対応)。連絡するとスタッフが現地の提携病院の紹介と手配をしてくれます。あとは指定された病院に行って治療を受けるだけです。
治療費は保険会社が直接支払ってくれます。治療前の手続きが不要ですし、治療費も支払わずに済むため、キャッシュレス診療は非常に便利です。ただし、非提携病院でキャッシュレス診療を利用した場合は、一時的に費用を立て替える必要があります。
家族も補償対象になる?
エポスカードの海外旅行保険が家族も補償対象になるかどうかは、カードランクによって変わります。エポスカードのカードランクは一般・ゴールド・プラチナの3種類ありますが、一般・ゴールドカードの海外旅行保険はカード所有者本人のみが補償の対象です。
一方、プラチナカードは海外旅行保険に家族特約が付帯されているため、家族も補償対象となります。家族特約が適用される条件はプラチナカード所有者と生計を共にする親族(6親等以内の血族・配偶者、3親等以内の姻族)であることです。
海外旅行保険の家族適用に際して、エポスカードには一般的な意味での家族カードがないという点、18歳未満は海外旅行保険の保証対象外である点には注意しましょう。
保険金の請求はどこでできるの?
エポスカードの海外旅行保険d絵保険金を請求する方法は、電話による問い合わせとWeb申請フォームの2通りがあります。電話による申請の場合はエポスカード海外旅行保険事故受付センターへ連絡し、トラブルの内容を伝えると必要書類や申請方法を案内してもらえます。電話は24時間対応・年中無休で日本語にも対応しています。
Webによる申請では専用フォームにアクセスし、氏名・カード番号・発生日・トラブルの状況などを入力後、書類の送付先や手続きの流れがメールが届きます。領収書や診断書などの書類は後日郵送またはアップロードが必要です。早めの連絡と申請に必要な書類の保存がスムーズに申請するためのカギになります。
コロナ関連の補償は対象になる?
エポスカードの海外旅行保険は、コロナ関連の治療も補償対象です。海外旅行中にコロナウイルスに感染した場合、エポスカードの海外旅行保険に付随されている疾病治療費用が適用されます。
一般・ゴールドカードでは本人のみ最高300万円まで治療費用が補償されます。プラチナカードも最高300万円まで補償されますが、家族特約があるので同行している家族も最高200万円まで疾病治療費用が支払われます。ただし、出発前にコロナに感染して海外旅行を直前にキャンセルした場合の補償はありません。
まとめ
エポスカードの海外旅行保険は、一般カードなら年会費無料でありながら高水準の補償が受けられる点が大きな魅力です。利用付帯となっているため、旅行代金や交通費を事前にカードで支払う必要があります。
しかし1円でも代金をカードで支払っていれば対象となり、キャッシュレス診療や盗難・遅延補償など幅広いサポートが受けられます。エポスカードの海外旅行保険があれば、旅行中のトラブルにも安心して対応可能です。申請手続きも電話・Web両方に対応しており、利便性も優れています。
海外旅行が多い方は持っていて損はない1枚といえるでしょう。