ヨーロッパに旅行やビジネスで訪れる際、クレジットカードの使いやすさは非常に重要です。キャッシュレス決済が浸透している地域もあれば、現在も現金払いが主流になっている地域もあり、訪れる場所によって決済事情は大きく異なります。

そのため、事前に自分が訪れる地域のクレジットカード事情を理解しておくことが、安心して滞在を楽しむための第一歩です。本記事では、ヨーロッパで有効活用できるおすすめのクレジットカードや、普及率・国際ブランドの違いを分かりやすく解説します。

また、利用するメリットや注意点、現金を準備すべき場面についても詳しく取り上げます。初めて訪れる方だけでなくリピーターの方に対しても、ヨーロッパでクレジットカードを有効活用するのに有益な情報を集めました。

ヨーロッパでおすすめのクレジットカード6選

ヨーロッパ旅行や出張を安心かつ快適に過ごすためには、ヨーロッパでも使いやすくかつ、保険の補償や現地で有効利用できる特典が充実したクレジットカード選びが重要です。本章では公式情報をもとに、おすすめの6枚を紹介します。

初めてのヨーロッパ旅行におすすめ！年会費無料で使える『エポスカード』

エポスカードは年会費が永年無料で、ヨーロッパ旅行でも安心して使えるVISAブランドのカードです。VISAはヨーロッパ各国で広く普及しており、ホテルやレストラン、公共交通機関など多くの場面で利用できます。エポスカードには海外旅行傷害保険が備わっており、旅先での病気やケガの際も補償が受けられるため安心です。

さらに海外キャッシングにも対応しているため、現地通貨を必要な分だけ引き出すことができ、両替の手間を省けます。国内外の優待サービスも豊富で、旅行前の準備や帰国後のショッピングでも活躍できるのが魅力です。ETCカードも無料で発行可能なため、日常使いからヨーロッパ旅行まで幅広く役立ちます。

簡単なタッチ決済でヨーロッパでの買い物がスムーズ『三井住友カード（NL）』

三井住友カード（NL）は、年会費永年無料のクレジットカード。VISA・Mastercardタッチ決済対応で、ヨーロッパ各国のタッチ決済端末でも問題なく利用可能です。ヨーロッパにあるVISA・Mastercard加盟店ではコンタクトレス決済が浸透しており、三井住友カード（NL）のタッチ決済・非接触決済対応はヨーロッパの決済事情にマッチしています。

通常の還元率は0.5％ですが、特定のコンビニや飲食店でタッチ決済すると還元率が最大7％にまでアップします。海外旅行傷害保険も、条件を満たせば最高2,000万円まで補償され、治療費や賠償責任・携行品の損害なども保険の補償対象です。

海外キャッシング機能も利用可能で、急な現地通貨が必要な場面でも対応できます。カード番号が表記されないナンバーレス仕様のため、セキュリティ面でも安心でしょう。

ヨーロッパ旅行するたびマイルが貯まる『ANAアメリカン・エキスプレス・カード』

ANAアメリカン・エキスプレス・カードは、マイル還元や旅行特典に優れたカードであり、ヨーロッパ旅行にもおすすめ！American Expressは、ヨーロッパでも主要都市のホテル・高級レストラン・空港ラウンジなどで受け入れられることが多く、VISA・Masterについでシェア率が高い国際ブランドです。

航空券やツアー代金の支払いでカードを利用すれば、海外旅行保険が適用され、万が一の事故やケガ・手荷物紛失などに備えられます。加えて、ANAマイルが貯まりやすく、旅行前後のポイント運用も魅力的です。海外キャッシング機能も備えており、現地通貨が必要となった際も柔軟に対応できます。

旅行好きでヨーロッパに訪れる機会も多い方には、使い勝手と安心感を兼ね備えたおすすめの1枚です。

手厚いサービスや補償が受けられる『アメリカン・エキスプレス・グリーン・カード』

アメリカン・エキスプレス・グリーン・カードは、旅行や出張でヨーロッパを訪れる際にも非常に頼りになるカード。国際ブランドはAmerican Expressで、Amexはヨーロッパ各国のホテル・高級レストラン・空港施設で幅広く利用可能となっており、特に都市部や観光地では利用可能な場所が非常に多いです。

また、旅行用品購入時の補償やオンライン決済の不正利用補償など、万が一の補償も充実！さらに旅行代金など旅行に関する支払いをカードで行えば、海外旅行傷害保険（死亡・後遺障害・生涯治療・疾病治療・携行品損害など）が付帯され、旅先でのトラブルに備えられます。

ポイント還元や各種特典（空港ラウンジや手荷物優待など）があるため、ヨーロッパで日常的に使いやすい1枚として選択肢に入るカードです。

ヨーロッパ旅行でもPayPayポイントが貯まる『PayPayカード』

年会費無料で作成できるPayPayカードは、VISA・Mastercard・JCBの国際ブランドに対応しているクレジットカード。ヨーロッパでは特にVISAとMastercardの受け入れが広いため、ヨーロッパで使うことを目的でPayPayカードを作成するならば、先に紹介した２ブランドのうちいずれかを選択するのが望ましいです。

ポイント還元率は基本1.0％と手数料無料のカードの中では高目に設定されていて、PayPay残高連携や定期的に実施されるキャンペーンを有効活用すれば、さらに還元率を高められます。

また、海外キャッシングも対応しており、急に現地通貨が必要なときにも便利です。ただし、海外旅行傷害保険は一般カードには付帯されていないため、一般カードを海外旅行に携行する場合は別途「PayPayほねん」の「あんしん海外旅行保険」などを併用することをおすすめします。

ヨーロッパ旅行で効率よくポイントを貯めるなら『セゾンカード・インターナショナル』

セゾンカード・インターナショナルは、年会費無料ながら海外旅行時にお得な永久不滅ポイントが通常より2倍で貯まる特典があり、ヨーロッパ旅行に携行すると活躍する1枚です。VISA・Mastercard・JCBなど複数ブランドに対応するタイプもあり、各国で使える可能性があります。

ヨーロッパではVISA・Mastercardが主流となっているため、ヨーロッパ旅行目的ならVISAかMastercardでカードを作成すれば決済できないといったトラブルを回避できるでしょう。

海外旅行傷害保険も、旅行代金など旅行関連の代金をカード払いすることで適用される利用付帯方式であり、死亡・後遺障害・治療費・救援者費用など幅広い補償を受けられます。加えて、保険適用には条件があるため、旅行前に保証内容を公式サイトで確認するのが無難です。

ヨーロッパでクレジットカードは使える？キャッシュレス事情について

ヨーロッパではクレジットカードが広く普及しており、旅行者にとっても現金をほとんど使わずに過ごせるキャッシュレス化が進んでいます。店舗や交通機関でもタッチ決済が主流で、便利かつ安全に支払いが可能です。

ヨーロッパのクレジットカード普及

ヨーロッパにおけるクレジットカードの普及は、国ごとの金融文化や規模・規制によって差はあるものの、近年は着実にキャッシュレス化が進行！例えば欧州中央銀行（ECB）の統計によれば、2024年上半期にはカード決済が非現金取引のうち56％を占めており、接触型（タッチ）決済の比率も拡大傾向にあります。

一方で、銀行振替や口座引き落としといった決済手段が根強く使われる国も多く、カード利用の浸透度には地域差があるので注意が必要です。例えばアイスランドでは成人の約74％がクレジットカードを保有していますが、アルバニアでは2021年時点でクレジットカードの保有率は成人のわずか5％に留まっていることが明らかになりました。

また、EU内では国内カードスキーム（国独自の決済ネットワーク）も根強く残っており、例えばドイツではGirocard、フランスではCartes Bancairesなどが高い支持を持ち、国際ブランドの共存構造となっています。

以上のような背景から、ヨーロッパを訪れる際は、訪問予定の国のカード導入率を理解したうえで、発行カードの国際ブランドを決めることが快適な旅行につながりやすいです。

ヨーロッパで使えるキャッシュレス決済一覧

ヨーロッパで使えるキャッシュレス決済は主に以下の通りです。

• クレジットカード/デビットカード（非接触/IC/磁気）
• モバイルウォレット（Apple Pay・Google Pay・Samsung Pay 等）
  
• PayPal 他オンライン決済サービス
• 銀行振替・即時振込（SEPA/ローカルスキーム）
• 国ごとのローカル決済（Swish・Twint・iDEAL など）
• EPI/Wero（欧州統合ウォレット構想）

ヨーロッパの中でも、国によってキャッシュレス化の進捗や現金依存度に大きな差があります。イギリスはキャッシュレス使用が急速に減少し、タッチ決済（非接触決済）が日常の多数決済を占めているのが現状です。フランスではカード決済が普及し、「sans contact（非接触）」決済の利用率が非常に高く、少額の買い物で現金を使うことが少なくなっています。

ドイツは伝統的に現金の使用が根強い国でしたが、近年はカード利用、特にデビットカードとモバイル決済の割合が着実に増え、少額決済でもキャッシュレスの選択肢が増えてきました。イタリアはまだ現金利用が多いものの、カード・非現金決済が急速に延びてきており、オンライン決済やカード支払いの価値ベースでの比率が現金を上回る場面も出てきています。

ヨーロッパで使える国際ブランドは？

ヨーロッパで普及している主要な国際ブランドをまとめました。

• Visa
• Mastercard
• American Express（加盟店はやや限定的）
• Diners Club
• UnionPay（対応店舗は都市部中心）
• JCB（利用できる国は限定的）

ヨーロッパではVISAとMastercardが約90％のシェアを占めており、ほぼすべての国で利用可能です。一方、日本ではシェア率の高いJCBは一部高級店やホテルに利用が限られる傾向にあります。また、American ExpressもJCBと同じく利用可能な店舗が限定的であり、ヨーロッパ渡航目的で所有する国際ブランドとしてはあまりおすすめできません。

ヨーロッパでクレジットカードを使うメリット

ヨーロッパ旅行ではクレジットカードを利用することで、現金両替を省きつつ、お得で安全な支払いが可能となります。ここでは、旅行者にとってクレジットカードを利用することで得られるメリットを4つ解説します。

両替の手間もなく、大量の現金を持ち歩かなくて済む

クレジットカードを使えば、現地での両替所探しや手数料を気にする必要がなく、スムーズに支払いができます。ヨーロッパはほとんどの都市や観光地でカード決済が普及しており、レストラン・ホテル・鉄道など幅広い場面でクレジットカード決済が可能です。大量の現金を持ち歩かずに済むことで、盗難や紛失のリスクを軽減でき、セキュリティ面でも安心です。

さらにタッチ決済対応カードなら、PIN入力不要でスピーディーに支払えるため、行列や混雑時のストレスも軽減されます。旅行中の利便性と安全性を両立させるためにも、ヨーロッパ旅行ではクレジットカード決済をメインにするのが最も合理的な選択といえるでしょう。

現金と比べて為替レートが安い

クレジットカード決済は、現金両替よりも為替レートが有利な傾向にあります。空港や街中の両替所では手数料が上乗せされるため、実際のレートより不利な条件で両替せざるを得ないことが多いですが、カード会社の為替レートは市場レートに近く、総支払額を抑えられます。

また、為替手数料（海外事務手数料）はカードごとに異なるものの、年会費無料カードでも1.6～2.2％程度と比較的安価です。なかには外貨手数料無料のカードもあり、ヨーロッパ旅行で頻繁にカードを使う方ほどお得になります。

ポイントやマイルが貯まる

ヨーロッパ滞在中のカード利用でも、国内と同様にポイントやマイルを貯められます。宿泊費や交通費・レストランでの支払いなど、旅行中の大きな出費をカードでまとめることで、効率的な還元を受けることが可能です。特にマイル系カードを利用すれば、貯まったマイルを次回の旅行やアップグレードに活用でき、旅行をよりお得に楽しめます。

また、ポイント還元率が高いカードや、海外利用でボーナスポイントが付くカードもあり、旅先での支払いを次の旅行のための資金として利用することも可能です。現地での支払いをクレジットカードに集約することで、家計管理もシンプルとなり、支出の可視化が容易になる点も大きなメリットです。

海外旅行保険や盗難・紛失時の補償がある

クレジットカードには、海外旅行保険や盗難、紛失時の補償が付帯しているものが多くあります。特にヨーロッパでは医療費が高額になりやすく、病気やケガに備えて保険があるカードを持つと安心です。傷害治療費用や携行品損害、賠償責任などをカバーでき、補償内容はカードによっても異なりますが、無料カードでも最大200～300万円まで補償されるものもあります。

また、カードを紛失・盗難に遭った場合でも、カード会社の緊急再発行や不正利用補償サービスにより被害を最小限に抑えられます。ヨーロッパ旅行では、セキュリティ対策の一環としてもクレジットカードを活用することをおすすめします。

ヨーロッパでクレジットカードを使うときの注意点

ヨーロッパではクレジットカードが広く普及していますが、すべてのブランドや店舗でつかえるわけではありません。また、現金決済が必要な場面も存在するため、旅行前に注意点を抑えておくことが重要です。カード選びや現金の準備を事前に確認することで、安心して旅行や出張を楽しめます。

使えないクレジットカードブランドがある

ヨーロッパではVISAやMastercardはほぼすべての国で利用できますが、JCB・American Express・Diners Club・UnionPayなどは利用できる店舗が限られることがあります。例えば、フランスやドイツの小規模レストランやカフェでは、JCBやAmexが使えないことが多く、ホテルや高級料理店のみ対応していることが一般的です。

旅行先でカード決済をスムーズに行うためには、主要ブランドを中心に複数枚携帯しておくと安心でしょう。

万が一に備えて現金は用意する

キャッシュレス決済が浸透しているヨーロッパ地域であっても、現金払いが必要な場面は残っています。個人経営のカフェや小規模なマーケット・公共交通機関の一部ではクレジットカードが使えないことがあります。また、チップやちょっといた買い物の際にも現金が便利です。

最低限の現地通貨を準備しておくことで、急な支払いにも対応可能！ATMでの引き出しが可能なカードを持参しておくと、必要な文のみ現地通貨を用意でき、両替手数料の節約にもつながります。

ヨーロッパでクレジットカードが使える場所

ヨーロッパ各国でクレジットカードが使える主な場所を以下にまとめました。

• ホテル・宿泊施設
• 大型レストラン・カフェチェーン
• 空港施設（ラウンジ・売店）
• 百貨店や大型スーパー
• 鉄道・バス・地下鉄などの交通機関（都市部）
• オンライン予約サービス（ホテル・ツアー・レンタカー）

ヨーロッパではVISAやMastercardを中心に、主要国際ブランドのクレジットカードを広く利用可能です。特にホテルや大型レストラン、空港内の施設ではほぼ確実に使え、宿泊費や食事代の支払いもスムーズです。百貨店・大型スーパー・都市部の公共交通機関でもカード決済が浸透しており、現金をほとんど持たずに過ごせる場合もあります。

また、ホテルやツアー・レンタカーなどのオンライン予約サービスでは、事前にカードで支払いを済ませることで手続きが簡略化され、旅行の利便性が向上します。ヨーロッパで都市部や観光地メインの滞在となるならば、クレジットカードの活用が非常に効率的です。

ヨーロッパでクレジットカードが使えない場所

一方、ヨーロッパでクレジットカードが使えない主な場所は以下の通りです。

• 小規模レストランやカフェ
• 地方の市場や屋台
• 郊外の小売店や商店
• 公共交通機関の一部（地方のバスやトラム）
• 一部の高級店や特定ブランド店（非対応の国際ブランドあり）

一方、夜の地方や小規模店舗ではクレジットカードが使えないこともあります。特に個人経営のカフェや屋台では現金払いが基本で、郊外の小売店や商店、一部の高級店では特定ブランドのカードしか使えない場合もあります。

旅行中に予期せぬ支払いに対応できるよう、最低限の現金を常に携帯しておくことが重要です。ATMでの現地通貨引き出しが可能なカードを準備しておくと、必要な文だけ柔軟に現金を用意でき、急な支払いにも対応できます。地方や観光地以外では現金とカードを併用するのが安全です。

ヨーロッパのクレジットカードに関するよくある質問

ヨーロッパ旅行や出張では、クレジットカードの使い方や現金準備などが不安になる方も多いです。本章ではヨーロッパへの渡航を検討している方から多く寄せられるクレジットカード関連の質問のうち、特に多い5つに回答していきます。

ヨーロッパに行くならVisaとマスターカードどっちがいいですか？

VISAとMastercardは、ヨーロッパで最も普及している国際ブランドです。都市部や観光地ならどちらもほぼ問題なく利用可能ですが、店舗によっては片方しか対応していない場合があります。そのため、両方のカードを持っておくと安心です。

ヨーロッパの海外旅行に現金はいくら用意するべきですか？

都市部ではクレジットカードが主流ですが、地方や小規模店舗では現金が必要です。目安としては1人1日あたり20～50ユーロ程度を用意しておくと安心です。必要に応じてATMで現地通貨を引き出せるカードを持参しておくとよいでしょう。

ヨーロッパでのクレジットカードの使い方は？

支払いは店舗の端末でカードを差し込むか、タッチ決済や非接触決済が主流であり、日本とほぼ変わりません。海外利用可能なPINコードを事前に確認しておくと安心です。チップ月カードは必ずIC端末を使い、署名や暗証番号の入力に従うことでスムーズに決済できます。

JCBはヨーロッパで使えますか？

JCBは利用可能な店舗が限定的で、主に高級ホテルや一部のショッピング施設でしか使えません。普段使いや地方での利用にはJCBは不向きです。ヨーロッパではVISAまたはMastercardの国際ブランドのカードをメインに持つのが安全です。

ヨーロッパで使えるQR決済は何がありますか？

Apple PayやGoogle Payなどのモバイルヴォレットに対応するQR決済は、都市部を中心に利用可能です。また、PayPalなどのオンライン決済も一部で使えます。ただし、地方や小規模店舗では未対応のことが多いため、現金の所持が必須です。

まとめ

ヨーロッパ旅行では、VISAやMastercardを中心に複数のクレジットカードを持参すると安心です。都市部ではカード決済やQR決済が広く普及している一方、地方や個人経営の店舗では現金が必要な場合もあります。JCBやAmexは利用可能な場所が限定的であるため、メインの決済手段としては不向きです。

現地通貨の少額を準備し、ATM引き出しやタッチ決済を活用することで、安心・スムーズに支払いができます。事前準備を整えて、自分に合ったクレジットカードで快適なヨーロッパ旅行を実現させましょう。