愛知県春日井市大手田酉町にある「Butterfly Brewery(バタフライブルワリー)」は、クラフトビールと音楽が出会う特別な空間として注目を集めています。
ブルワリー名の由来は、春日井市の形が蝶に似ていることから名付けられたもの。地域とのつながりを大切にしながら、音楽とビールを融合させた独自の世界観を築くButterfly Breweryの魅力に迫っていきます!
夫婦の夢から始まったブルワリー

創業の背景には、店主・入谷さんと、プロのフルート奏者だった妻・光江さんの夢がありました。二人は「音楽を聴きながらビールが飲める場所を」という共通の想いを抱き、憩いの場づくりを目指していました。
しかし、準備の最中に光江さんが40歳という若さで急逝。その後も夢を叶えたいという強い気持ちと、娘さんたちの応援を支えに計画を縮小し、Butterfly Breweryをオープンされた背景があります。
2022年5月には大学時代の同級生・玉城仁志さんが醸造担当として加わり、本格的に醸造を開始。修行を重ね、現在では15種類ものクラフトビールを販売しています。
入谷さんは「音楽のように、楽しい時も立ち止まる時もさりげなく側にある。そんな存在のビールを造りたい」と語ります。
楽器の名を冠したクラフトビール

Butterfly Breweryの特徴の一つが、楽器の名前を冠したクラフトビールのラインナップです。最初に誕生したのは「フルート」。妻がフルート奏者だったことにちなんで名付けられ、クラフトビール初心者にも親しみやすい味わいに仕上げられています。
その後、「ヴィオラ」「ギター」など、演奏家やお客様からのリクエストによって楽器の種類は広がりました。
時にはビールの味わいに合わせて楽器名を決めることもあり、音楽とビールの関係性をユニークな形で表現しています。ラベルデザインもカラフルで、15種類それぞれの楽器を描いたボトルは、手に取るだけで心が弾むようなポップなデザインも人気の理由のひとつです。
品質と鮮度へのこだわり
Butterfly Breweryのビールは「生きた酵母」が含まれているのが特徴です。フルーティーな香りや豊かな味わいを実現する一方で、温度管理が重要になります。
発酵が進みすぎないよう醸造中から徹底して管理し、完成後も2〜5℃で保管。販売店にも冷蔵で届けることで、お客様の手元にできる限り新鮮な状態で届くよう努めています。
春日井ならではの素材を活かす挑戦

Butterfly Breweryのビールは、地元とのつながりを大切にした独自の取り組みでも知られています。春日井市はサボテン生産日本一の土地。その特性を活かし、なんとサボテンを使ったビールを開発されました。
さらに、獣害対策として栽培されている豊田旭地区のハラペーニョを使用したスパイシーなビールや、廃棄予定の桃を学生と協力して再生したフルーティーなビールも登場。麦芽粕を肥料に利用した畑で育ったビーツを原料にしたビールも造られており、まさに地域資源の循環を体現しています。
さらにSDGsへの取り組みにも力を入れているとのこと。
ビール醸造時には大量の麦芽粕やホップ粕が発生します。Butterfly Breweryではこれを廃棄せず、地元飲食店と連携してパスタやおつまみの素材として再利用。また、栄養価の高い麦芽粕は畑の肥料や山羊の飼料としても活用されています。
その畑で採れた野菜を再びビールに使用するなど、持続可能な循環を意識した取り組みを進めています。
このように、「地元の魅力を知ってほしい」という思いと、環境を考えた取り組みの両方を実現しています。
音楽とともに味わう至福のひととき

ブルワリーのもう一つの大きな魅力が、定期的に開催されるミニコンサートです。当初は光江さんの音楽仲間にお願いして始まった演奏会は、今では口コミや紹介で演奏家とのつながりが広がっています。
屋根付きの屋外スペースで行われる演奏は、フルートやピアノに加え、ハープやハンドパンなど珍しい楽器も登場。最大30人ほどの少人数制で行われるため、アットホームな雰囲気の中、演奏者と観客の距離が近いのも魅力です。クラフトビール1本がセットになっており、庭で遊ぶ子どもたちの姿も交えながら、家族みんなで楽しめる空間となっています。
また、イベント時にはキッチンカーも登場し、ビールに合う食事を味わうことも可能。まさに音楽とビール、食事が一体となった体験を楽しむことができます!
最後に
「ぜひミニコンサートにお越しください。庭とつながった開放的な空間で、目の前の生演奏とクラフトビールを楽しんでいただけます」と入谷さん。ビールの味わいはもちろん、色とりどりの楽器が描かれたラベルも来訪者を楽しませてくれます。
さらにButterfly Breweryは、春日井の魅力を全国に伝えるためオンラインストアでも販売を行っています。音楽や楽器に関心のある方々を中心に人気を集めており、特に看板商品「フルート」は定番の一品とのことです。
Butterfly Breweryは、音楽とクラフトビール、そして地域の魅力を融合させた唯一無二の空間。春日井を訪れる際にはぜひ足を運び、その調和が生み出す豊かな時間を体験してみてはいかがでしょうか。
貴社の施設名 | Butterfly Brewery |
公式サイト | https://butterflybrewery.jp/ |
住所 | 〒486-0806 愛知県 春日井市 大手田酉町(オオデタトリチョウ) 1丁目 2−7 |
営業時間 | 11:00〜20:00 |
定休日 | 日曜、月曜 |