【インタビュー】金沢の癒しスポット「ねこまる茶房」—猫と人が繋がる、やさしい時間を届けたい

金沢市の中心部、観光客で賑わう東山茶屋街から少し歩いた静かな路地裏に、ひっそりと佇む猫カフェ、「ねこまる茶房」。

どこか懐かしさを感じる古民家を改装した店内には、個性豊かな猫たちと、ゆったりと流れる時間が広がっています。

地元の人々はもちろん、近年では海外からの観光客にも大人気というこのお店。今回は、「ねこまる茶房」の店主・山本美咲さんに、カフェに込めた想いやこだわり、これからのビジョンについてじっくりお話を伺いました。

猫たちが「主役」の、穏やかなカフェを作りたかった

——まず、「ねこまる茶房」を始めたきっかけを教えてください。

もともと猫が大好きだったんです。学生の頃から保護猫活動にも関わっていて、自分ができる範囲で猫のために何かしたいとずっと思っていました。金沢には猫カフェが少なかったこともあって、「猫と人がゆっくり過ごせる場所があればいいな」と思い立ち、4年前にこのお店をオープンしました。

「ねこまる茶房」の“まる”には、猫たちとお客様、そして地域との“つながり”という意味を込めています。カフェだけど、カフェ以上の場所。そんな空間にしたかったんです。

——「猫が主役」というコンセプトは、どんなところに現れているのでしょうか?

一番大事にしているのは、猫たちの“気持ち”です。スタッフが日々観察しながら、それぞれの猫が快適に過ごせるよう環境を整えています。

たとえば、無理に抱っこしたり、触られすぎてストレスを感じないよう、お客様にもルールをお願いしています。猫たちが自分らしく過ごせることが、結果的にお客様にもとっても癒しになるんですよね。

地元・石川県の素材で作る、心と体にやさしいメニュー

——カフェとしてのこだわりについても教えてください。メニューにも特徴があると伺いました。

はい。当店では、地元・石川県の素材を使った手作りメニューを提供しています。野菜は近郊の農家さんから仕入れ、コーヒーは金沢市内の焙煎所さんとコラボしてオリジナルブレンドを作っています。

中でも人気なのは「ねこまるプリン」。能登の塩をほんのり効かせた、甘さ控えめの固めプリンで、これ目当てでリピートしてくださる方も多いです。

ドリンクも、身体にやさしいハーブティーや、オートミルク使用のラテなど、動物性食材を避けたい方にも配慮しています。海外のお客様からも好評なんですよ。

観光客にも、地元の人にも「ただいま」と思ってもらえる場所に

——インバウンドのお客様も多いと聞きましたが、どのような工夫をされていますか?

外国のお客様にも、猫たちとのふれあいを安心して楽しんでもらえるよう、英語・韓国語のガイドを用意しています。スタッフの中には英語が堪能な者もいて、簡単な会話や案内もできます。

また、「ただ観光地を巡るだけでなく、地元の暮らしや文化を感じたい」という海外の方が増えていて、当店では金沢の暮らしに近い時間を体験してもらえるよう工夫しています。猫たちと一緒に、静かな和の空間でゆっくりお茶を飲む。そのひとときを、とても喜んでくださいます。

——今後、「ねこまる茶房」をどんな場所にしていきたいですか?

「ただの猫カフェ」ではなく、地域の人や旅人が“戻ってきたくなる場所”でありたいと思っています。猫たちの穏やかな姿を見て、自分も少し立ち止まって深呼吸できるような、そんな時間を提供したいですね。

それから、保護猫の譲渡活動にもこれから力を入れていきたいと考えています。実は、今ここにいる猫の半分以上が保護猫なんです。カフェを通じて、「猫を飼うってどういうことか」を知ってもらい、素敵なご縁が生まれる場所になれば嬉しいです。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

猫たちは、とても正直で繊細な生き物です。彼らと過ごすには、自分も心を静かにして、思いやりを持つ必要があります。そんなふうに、自分をリセットできる場所って、今の時代とても大切だと思うんです。

「ねこまる茶房」が、忙しい日常の中でほっと一息つける、そんな居場所になれば嬉しいです。猫好きの方はもちろん、ちょっと疲れているなと思ったら、ぜひ気軽に遊びに来てください。

まとめ

店主・山本さんの言葉からは、「ねこまる茶房」が単なる猫カフェではなく、人と猫と地域を繋ぐ、あたたかな場所であることが伝わってきました。金沢を訪れた際には、ぜひこの癒しの空間を体感してみてはいかがでしょうか。

■ねこまる茶房の基本情報

アクセス 金沢駅から徒歩10分
予約方法 インターネット
予算 1,000円〜2,000円
多言語対応 英語・韓国語