ベトナムは急速に経済発展を遂げており、都市部を中心にキャッシュレス決済が普及しています。ホーチミンやハノイなどでは、ホテルやモール、チェーン店などでクレジットカードが使える場面が増え、観光客にとっても非常に便利な環境が整ってきました。
しかし一方で、屋台やローカル市場、地方の店舗では依然として現金しか使えない場所も多く、カード一枚では対応しきれない場面も。そこで重要なのが、「クレジットカードと現金の賢い使い分け」です。
この記事では、ベトナムで使えるカードのブランドやタッチ決済事情、お得なキャッシングの使い方、おすすめのクレジットカード、さらに注意点やFAQまで幅広くご紹介。これからベトナムを訪れる方に向けて、実際に役立つ情報だけを厳選してお届けします。
ベトナムで使えるおすすめのクレジットカード5選
ベトナムでは都市部を中心にクレジットカードが広く使われており、旅行や出張の際にも便利です。ただし、カードのブランドや機能によって使える場所やお得度に差があります。
ここでは、ベトナムで特におすすめのクレジットカードを5枚ご紹介いたします。
JCBカードW
年会費 | 無料(WEB限定) |
国際ブランド | JCB |
申し込み対象 | 18歳〜39歳(学生可) |
ポイント還元率 | 1.0〜2.0% |
ETCカード | 無料 |
家族カード | 無料 |
付帯保険 | 海外旅行保険(利用付帯) |
海外キャッシング | 可能(実質年率15.0〜18.0%) |
JCBカードWは、年会費無料で高還元のポイントが魅力の一枚です。ベトナムではJCBの対応店舗が年々増えており、特にハノイやホーチミンといった都市部の百貨店や観光地での利用が可能です。
常時ポイント2倍で、楽天市場やAmazonなどのネットショッピングとも相性抜群。海外旅行保険も付帯しており、若年層や初めて海外へ行く方にとっても安心のカードです。スマートで効率よくポイントを貯めたい方におすすめです。
エポスカード
年会費 | 無料 |
国際ブランド | VISA |
申し込み対象 | 18歳以上(高校生を除く) |
ポイント還元率 | 0.5〜1.0% |
ETCカード | 無料 |
家族カード | 発行不可 |
付帯保険 | 海外旅行保険(自動付帯) |
海外キャッシング | 可能(実質年率18.0%) |
エポスカードは年会費無料ながら、海外旅行保険が自動付帯する優れた一枚です。VISAブランドのため、ベトナム全土での利用範囲が広く、ホテル、飲食店、ショッピングモールなどで安心して使えます。
キャッシング機能も備えており、現地ATMからの引き出しが可能です。さらに、スマホアプリを使えば繰上げ返済も簡単です。初めて海外旅行に行く方や、シンプルで信頼性の高いカードをお探しの方におすすめです。
アメリカン・エキスプレス・グリーン・カード
年会費 | 13,200円(税込) |
国際ブランド | American Express |
申し込み対象 | 20歳以上(安定収入がある方) |
ポイント還元率 | 0.3〜1.0% |
ETCカード | 無料(発行手数料935円) |
家族カード | 6,600円(税込) |
付帯保険 | 海外旅行保険・ショッピング保険 |
海外キャッシング | 不可 |
アメックス・グリーンは、ステータス性と上質なサービスを求める方に最適なクレジットカードです。空港ラウンジの利用や旅行サポートが手厚く、ビジネスや出張が多い方に好まれます。
ベトナムでは高級ホテルや一部のチェーン店で使用可能ですが、使える場所が限られるため、サブカードとしてVISAなどを併用すると安心です。旅行保険やショッピング保険も充実しており、安心した海外滞在をサポートしてくれます。
ライフカード
年会費 | 無料 |
国際ブランド | VISA/Mastercard/JCB |
申し込み対象 | 18歳以上(高校生を除く) |
ポイント還元率 | 0.5〜1.5% |
ETCカード | 無料 |
家族カード | 無料 |
付帯保険 | 海外旅行保険(利用付帯) |
海外キャッシング | 可能(実質年率18.0%) |
ライフカードは審査の柔軟さと高いコストパフォーマンスが魅力のカードです。VISAやMastercardを選べば、ベトナムの大半の都市で支払いに困ることはありません。
誕生月にはポイントが3倍になる特典があり、計画的に利用することでお得にポイントを貯められます。学生やフリーランスの方にも発行されやすく、初めてのクレジットカードとしても人気です。旅行保険やキャッシング機能も備えており、使い勝手の良い一枚です。
dカード GOLD
年会費 | 11,000円(税込) |
国際ブランド | VISA/Mastercard |
申し込み対象 | 20歳以上(安定収入がある方) |
ポイント還元率 | 1.0〜10.0%(条件あり) |
ETCカード | 無料 |
家族カード | 1枚目無料、2枚目以降1,100円(税込) |
付帯保険 | 海外旅行保険・お買物あんしん保険 |
海外キャッシング | 可能(実質年率18.0%) |
dカード ゴールドは、高還元率と充実した補償内容を兼ね備えたクレジットカードです。特にドコモユーザーには特典が多く、スマホや家電の補償、旅行時の保険なども付帯しています。
VISAブランドを選べばベトナムの主要都市ほとんどで利用可能です。空港ラウンジの利用や海外でのトラブル対応など、出張や長期滞在にうれしい機能が満載です。年間利用額に応じたポイント還元も魅力で、旅慣れた方にも満足度の高い一枚です。
ベトナムでクレジットカードは使える?現地のキャッシュレス事情について
近年、ベトナムでもキャッシュレス化が進み、クレジットカードやQRコード決済を使える店舗が増えています。ただし、都市部と地方で使える範囲には差があるため、旅行前に最新の情報を確認しておくと安心です。ベトナムのクレジットカード事情や使えるブランドなどを詳しくご紹介します。
ベトナムのクレジットカード普及率
ベトナムではキャッシュレス化が徐々に進んでいますが、クレジットカードの保有率はまだ20〜25%前後とされ、日本(約80%)と比べるとまだ普及途上にあります。その背景には、現金主義の文化や銀行口座を持たない人の多さ、さらに信用履歴の蓄積が難しいという現地の金融事情が関係しています。
ただし近年では、都市部(ホーチミン市やハノイなど)を中心にカード利用が急速に広がりつつあり、若年層や富裕層、ビジネスマンを中心に利用が増加しています。特にオンラインショッピングの普及に伴い、クレジットカードやデビットカードのニーズが高まっています。
一方で、地方都市や個人経営の店舗、ローカルマーケットでは依然として現金が主流で、カード端末の導入が進んでいない場所も多く存在します。そのため、旅行者は都市部ではクレジットカード、地方では現金との併用が現実的といえるでしょう。
ベトナムで使えるキャッシュレス決済一覧
ベトナムで使える主なキャッシュレス決済をまとめました。
【クレジットカード/デビットカード】
- VISA
- Mastercard
- JCB
- American Expres
※都市部のホテル・レストラン・スーパー・空港などで使用可能
【モバイル決済(タッチ決済/QR決済)】
- Apple Pay
- Google Pay
- Samsung Pay(端末対応店に限る)
- MoMo(モモ):ベトナム最大のQRコード決済アプリ(現地口座連携が必要)
- ZaloPay:メッセンジャーアプリZaloに連携した決済サービス
- VNPay:銀行系QR決済。全国の多くの小売店で対応
【銀行系ICカード・モバイルバンキング】
- 各銀行発行の非接触ICカード(Napasカードなど)
- モバイルバンキングアプリを使った即時振込(現地人向け)
観光客は、VISAやMastercard+Apple Pay/Google Payの組み合わせがもっとも無難で安心です。
ベトナムで使える国際ブランドは?
ベトナムで使いやすい国際カードブランドをご紹介します。
- VISA:最も加盟店が多く、コンビニ・飲食店・ホテルなどで使いやすい
- Mastercard:VISAに次ぐ普及率。大型チェーンや交通機関でも対応
- JCB:都市部の一部デパートや観光施設では対応あり。ただし使える場所は限定的
- American Express:高級ホテルや空港ラウンジで使えることもあるが、全体的に非対応が多め
- UnionPay(銀聯):中国人観光客向けに対応している店舗もあるが、日本人にはあまり必要なし
特に観光やビジネスでベトナムを訪れる場合は、VISAかMastercardを1枚は持っておくことをおすすめします。
ベトナムでクレジットカードを使うメリット
ベトナム旅行では、クレジットカードを活用することで支払いがスムーズになるだけでなく、海外旅行保険やキャッシングなどの便利な機能も使えます。現地通貨のやり取りやトラブル対応にも役立ち、旅行をより安心・快適にしてくれる存在です。
海外旅行保険が付帯している
クレジットカードには、万が一のトラブルに備える海外旅行保険が付帯している場合があります。ベトナム旅行でも、病気や事故、盗難などの予期せぬ事態に安心して対応できます。
● 傷害死亡・後遺障害保険
旅行中の事故や不慮の出来事で死亡または重い後遺障害を負った場合に支払われる保険です。補償額はカードのグレードによって異なりますが、一般カードで数百万円〜1,000万円、ゴールドカードなら数千万円までカバーされることがあります。旅行中に万が一の事態が起きた場合でも、遺族への金銭的負担を軽減できる重要な補償です。
● 傷害・疾病治療費用保険
現地で病気やケガをした場合の治療費や入院費を補償する保険です。日本と違い、海外では医療費が高額になることがあるため、最も実用性の高い補償と言えます。例えば風邪で病院にかかったり、転倒による骨折などでも適用され、通院・入院・手術などの実費が補償対象です。自動付帯か利用付帯かも要チェックです。
● 賠償責任保険
旅行中に他人の物を壊してしまったり、他人をケガさせてしまった場合に、法律上の賠償責任が発生した際に補償されます。たとえばホテルの備品を破損した、観光中に誤って他人にケガを負わせたなどの場合にも適用されるため、思わぬトラブルから自分を守る重要な保険です。上限額はカードにより異なりますが、1,000万円以上の設定もあります。
● 携行品損害保険
旅行中に持ち歩いているスマートフォン、カメラ、スーツケースなどが盗難や破損、火災などで損害を受けた場合に補償される保険です。1つの事故につき上限は10万円前後で、自己負担(免責)額が3,000円〜1万円程度設定されている場合が多いです。旅先での紛失や盗難リスクに備えられる、心強い補償です。
● 救援者費用保険
現地で病気やケガなどにより入院や手術が必要になった際、家族が現地に駆けつけるための渡航費や宿泊費、搬送費などを補償します。入院が長引く、重症で帰国が困難といったケースに備える保険で、医療搬送サービスと連携した対応も可能です。自力で対応するのが難しい場面で、家族にも助けとなる重要な内容です。
通貨換算の手間が省ける
ベトナムでは「ドン(VND)」が流通していますが、日本円との換算が複雑で、ゼロが多く桁を間違えやすいのが特徴です。クレジットカードで支払いをすれば、自動で日本円に換算されて請求されるため、為替レートを気にせずスムーズに買い物ができます。
また、クレジットカードの為替レートは一般的に両替所より有利なことが多く、両替の手数料を抑えることができるという利点もあります。現地通貨を大量に持ち歩く必要もなく、セキュリティ面でも安心です。
海外キャッシングでお得に現地通貨を入手できる
ベトナムではATMの設置数が多く、VISAやMastercard対応のクレジットカードで簡単にキャッシングが可能です。現地通貨(ベトナムドン)をその場で引き出せるため、両替所を探す手間が省け、利便性が高いのが魅力です。
さらに、最近のクレジットカードはアプリから繰上げ返済できる機能があり、利息を抑えてお得に利用することも可能です。特に、レートが良いタイミングで少額ずつ引き出すことで、効率よく現地通貨を用意できます。ATM利用時は手数料の確認もお忘れなく。
ベトナムでクレジットカードを使うときの注意点
ベトナムでは都市部を中心にクレジットカードが使える場面が増えていますが、すべての場面で万能というわけではありません。現地特有の事情を理解し、リスクを回避するためにも、カード利用時の注意点を事前に把握しておくことが大切です。
現金が必要な場面が多い
都市部ではクレジットカードが使える場所が増えていますが、屋台、ローカル食堂、個人商店、タクシー、地方都市の店舗などでは現金のみ対応のところも多くあります。特にベトナムの夜市や市場などでは、1回の支払い金額が少額であることも多く、カード対応が進んでいません。
そのため、クレジットカードとあわせて適度な額の現金(ベトナムドン)を持っておくことが必要です。また、ATMでのキャッシングも有効な手段となります。
不正利用やスキミングへの対策が必要
ベトナムは比較的安全な国とされていますが、クレジットカードのスキミングや不正利用といったリスクはゼロではありません。特に、カードを一度預けて店員が奥で処理するような場面では注意が必要です。対策としては、ナンバーレスカードの利用や、決済通知アプリの設定、利用明細の定期確認がおすすめです。
万が一、不正な利用があった場合でも、早期に気付いてカード会社に連絡すれば被害を防げます。
海外利用手数料や一括払いの制限に注意
ベトナムで日本のクレジットカードを利用すると、海外事務手数料(為替手数料)として約1.6〜2.2%が加算されます。これはカードブランドごとに異なり、利用明細に円換算された金額が記載されます。また、日本のクレジットカードは海外ではすべて「一括払いのみ」で処理されるのが一般的です。
分割払いやリボ払いを希望する場合は、帰国後にWebまたは電話で支払い方法を変更する必要があります。事前にカード会社のルールを確認しておきましょう。
ベトナムでクレジットカードが使える場所
- 国際空港(ノイバイ、タンソンニャットなど)
- 高級ホテルやチェーン系ホテル
- 大型ショッピングモール(VINCOM、AEONなど)
- 外資系スーパーマーケット(LOTTE Mart、Big Cなど)
- チェーン系レストランやカフェ(Highlands Coffee、Starbucksなど)
- コンビニ(Circle K、ミニストップなど)
- 一部の観光施設や博物館
- アプリ配車サービス(Grab等、カード連携で利用可能)
ホーチミンやハノイなどの都市部では、国際ブランド対応の店舗が年々増加しており、VISAやMastercardを中心に幅広く使えます。観光客向けの施設やチェーン店舗ではカード決済がスムーズに行えます。
ただし、サインまたはPINコードの入力が必要な場合があるので、日本と操作が異なる点には注意しましょう。
ベトナムでクレジットカードが使えない場所
- 屋台、ナイトマーケット(夜市)
- 地元の食堂(Com Tam、フォー店など)
- ローカルな個人経営のカフェや商店
- 小規模の民泊・ゲストハウス
- 地方都市や農村部のほとんどの施設
- 公共交通(バス、ローカル鉄道)
- 街中の駐車場、コインランドリーなど現金決済のみの施設
地方ではカード端末自体が設置されていないことも多く、現金主義が根強く残っています。特に屋台やローカル市場では、支払いはほぼ現金一択と考えておいた方が安心です。
また、観光地でもカードが使えるかどうかは店の規模や設備によるため、「Cash only」と表示されている場合は潔く現金払いを選びましょう。
ベトナムのクレジットカードに関するよくある質問
初めてベトナムを訪れる方の中には、「クレジットカードは使えるの?」「現金も必要?」といった疑問を持つ方が多いようです。ここでは、旅行前に知っておきたいクレジットカードに関する代表的な質問に、わかりやすくお答えします。
ベトナムではクレジットカードと現金どっちを多く持っていくべき?
都市部(ホーチミン・ハノイなど)ではクレジットカードの利用が進んでおり、ホテルやモール、レストランでは問題なく使えます。
しかし、屋台や地元食堂、地方都市では現金のみのところが多く、カードが使えないシーンも少なくありません。基本は「カード:現金=3:7」程度を目安にし、高額の支払いはカード、日常的な小額決済は現金と使い分けると安心です。
ベトナムでクレジットカードのタッチ決済は使える?
近年ベトナムでもタッチ決済(NFC対応)の普及が進んでおり、VISAのタッチ決済(Visa payWave)やMastercard Contactless、JCBのコンタクトレス決済などが、一部のモールやコンビニ、飲食チェーンで利用可能です。
ただし、すべての端末が対応しているわけではなく、店舗によってはICチップの差し込み式が必要な場合もあるため、状況に応じて使い分けましょう。
ベトナムでクレジットカードのキャッシングは安全?
ベトナムにはATMが多く設置されており、VISA・Mastercard対応のATMで安全にキャッシングが可能です。ATMは空港、銀行、モール内などにあり、セキュリティも比較的しっかりしています。
ただし、人通りの少ない路地や古い機械の使用は避けるのが無難です。繰上げ返済が可能なカードを選べば、両替よりもお得に現地通貨を入手できることもあります。
ベトナム旅行前にクレジットカードを発行するならどれがいい?
初めての海外旅行で安心して使いたい方には、年会費無料で海外旅行保険が自動付帯されている「エポスカード」がおすすめです。VISAブランドでベトナムでも使いやすく、キャッシングやアプリによる繰上げ返済機能も搭載されています。
また、ポイント還元を重視するなら「JCBカードW」、ラウンジや補償を重視する方には「dカード ゴールド」も選択肢に入ります。目的に応じて選びましょう。
ベトナムでJCBカードは使える?
JCBカードは、ホーチミンやハノイなどの都市部を中心に徐々に対応店舗が増えているものの、まだVISAやMastercardほどの普及率はありません。
大手百貨店や高級レストラン、一部のホテルでは使えることがありますが、ローカルな店では使えないケースが多めです。JCBをメインにするのはやや不安が残るため、VISAやMastercardのカードと併用するのがおすすめです。
まとめ
ベトナムでは、都市部を中心にクレジットカードの利用が進んでおり、VISAやMastercardであればほとんどの観光施設や店舗で使えます。一方で、屋台や地方のローカル店では現金が必要な場面も多く、クレジットカードと現金の併用が現地での賢い立ち回り方です。
また、カードには海外旅行保険やキャッシング機能など、旅をサポートする便利な機能も多数搭載されています。カードごとの特長や注意点を把握して、自分に合った一枚を選ぶことで、ベトナム旅行がより快適で安全になります。