京都で“暮らすように泊まる”体験を──株式会社レアルが描く新たな滞在価値

京都の町家文化を未来へつなぎながら、多様な宿泊スタイルを展開する株式会社レアル。市内で町家52棟、ホテル21棟を運営し、国内外の観光客から高い支持を得ています。

今回は株式会社レアルが手掛ける宿泊施設の詳細や特徴、観光客増加の背景にある取り組みについて伺いました。

京都の価値を「旅」と「投資」でつなぐ

レアルは、単なる宿泊施設の運営にとどまらず、“京都にしかない価値を体験として提供すること”を理念に掲げています。
1950年以前の京町家をリノベーションした宿から、自社がこだわり抜いて新築した高級町家「鈴 京都宮川筋 hitotose 穐 -Aki-」、さらには10棟の町家が連なるホテルタイプ「Rinn Shiki Juraku」まで、京都らしさを感じられる幅広いプロダクトを展開しています。

建物や内装、立地といった要素を通じて、京都の空気を“暮らすように”体験してもらうことを重視しており、「日常の延長にある特別な時間」を提供したいという想いが根幹にあるといいます。

鈴 京都宮川筋 hitotose 穐 -Aki-(撮影:梶原敏英)
Rinn Shiki Juraku 一楽

3つの宿泊タイプで実現する多彩な滞在スタイル

レアルの宿泊施設は「ホテルタイプ」「高級町家タイプ」「京町家タイプ」の3種に分類され、それぞれ異なる滞在価値を持っています。

ホテルタイプは、スタッフが常駐し、一般的なホテルの快適さと安心感が特長。利便性を求める旅行者に人気です。

Rinn Kiyomizu Gion

高級町家タイプは、露天風呂付きや広めのリビング空間、高品質なアメニティを備え、贅沢な時間を過ごしたい方に最適。現代的な快適さと伝統美の融合が際立ちます。

鈴 京都御所南 喜承庵

京町家タイプは、歴史ある町家の風情をそのまま残し、より京都の日常に近いゆったりした空気を味わえる宿。素朴で落ち着いた空間は、京都らしい暮らしを求めるリピーターにも支持されています。

鈴 四条高瀬川

いずれも一棟貸しのためプライベート性が高く、町家滞在でも安心いただけるよう、近隣のスタッフがすぐに駆けつける体制を整えている点も特徴です。

“暮らすように泊まる”を実現するための工夫

レアルが大切にしているのは、京都の日常が息づく立地選びと、暮らしと旅が自然に重なる空間づくりです。

施設の多くは観光地へのアクセスが良い一方、賑わいから少し離れた住宅街に位置しています。京都の空き家問題が町家再生につながっている側面もあり、滞在者は地元の生活リズムを感じながら過ごすことができます。

設備面では、キッチンや洗濯機を備えた施設も多く、長期滞在にも対応。内装には畳・和紙・土壁・障子といった日本の素材を用いながら、ベッドや空調など現代の快適性も確保しています。

鈴 月輪
鈴 四条町家

「快適さの捉え方は人によって異なるため、選べる滞在価値を提供したい」と同社は話します。

東山・下京・中京など人気エリアに広がる拠点

レアルの宿は、京都でも特に観光客の人気が高い東山区を中心に、京都駅周辺の下京区、四条烏丸に近い中京区へと広がっています。

立地選びの基準は「施設のコンセプトが街に溶け込み、魅力を引き立てられるかどうか」。花街の風情が残る宮川町に建つ「鈴 京都宮川筋 hitotose 穐 -Aki-」のように、周囲の環境そのものが滞在の価値を深めるケースも多いといいます。

宿泊施設は建物だけでは完結せず、街並み・文化・人が一体となって初めて“旅の世界観”が生まれる──その考えが立地選定に反映されています。

宿泊規約に込められた安全性と体験価値

施設ごとの特性に合わせ、レアルではいくつかの特徴的なルールを設けています。

全館禁煙の施設もあれば、ロビーに喫煙所を設けたホテルも用意し、利用者がスタイルに合わせて選べるようにしています。

また「Rinn Shiki Juraku」では、建物構造上の安全配慮から12歳以下の宿泊を制限。結果として大人が静かに過ごせる環境が生まれ、「子どもが成長したら再訪したい」という声も多いといいます。

規約を明確にすることで、異なる価値を求める旅行者が“自分に合った滞在体験”を選びやすくなっています。

伝統と快適性のバランスをとる町家リノベーション

町家の改修では、窓枠や梁、ガラスなど、今では手に入らない素材を積極的に残し、その建物が持つ歴史を未来へつなぐことを重視しています。

一方で、滞在施設としての快適性を損なわないよう、エアコンを目立たせない工夫や、畳とベッドの併用など、細部に配慮した設計を行っています。

「伝統と快適性のどちらも妥協しない姿勢が、町家の価値を次世代へつなぐことになる」というように、京都ならではの土地に配慮しつつ伝統を生かした場所作りを実現しています!

インバウンド需要に応える多言語対応・文化サポート

京都は世界的観光地であるため、レアルでは英語・中国語を中心とした多言語対応を強化。公式サイトは多言語展開され、電話・チャットでのサポートも外国語スタッフが対応できる体制を整備しています。

また、文化的な違いによる“町家ならではの過ごし方”を丁寧に案内し、トラブルのない滞在をサポートしています。今後も海外からの旅行者が増える中で、“京都らしさを理解したうえで楽しめる環境づくり”に力を入れていく方針とのことです。

京都の魅力を未来へ

町家の再生と多様な宿泊体験を通じ、京都の文化を未来へ橋渡しする株式会社レアル。観光客の増加にともない、「泊まる」から「暮らすように滞在する」という需要も増えていくのではないでしょうか。

伝統を守りながら新たな価値を創り出す場所は、京都の旅にさらなる魅力をもたらしていくことでしょう。

鈴 町家久遠
施設名株式会社レアル
公式サイトURLhttps://rinn-kyomachi.com/
https://real-ec.co.jp/
住所京都市中京区御池通間之町東入高宮町206 御池ビル5階